NPO法人もりふれ倶楽部は、平成30年に設立15周年を迎え、これまでの活動が評価され、平成31年4月に自然ふれあい部門で環境大臣表彰を、令和元年6月には第31回森林レクリエーション地域美しの森づくり活動コンクールで第1席農林水産大臣賞をいただきました。また、令和元年度全国林業グループコンクールでは、平成22年度に続いて2度目の林野庁長官賞を受賞しました。
もりふれ倶楽部は、平成16年3月に設立、会員数は161名です。島根県松江市に拠点を置き、島根県全域で広域的に活動しています。
活動の柱は3つあり、1.「森林保全や里山保全の大切さ」の普及啓発活動、2.森林ボランティア活動、3.里山生活者の支援活動です。
1.「森林保全や里山保全の大切さ」の普及啓発活動では、今年で18年目を迎え、一般の方を対象とした年間11回開催される島根県立ふるさと森林公園の看板講座である「里山自然塾」をはじめ、UIターン希望者対象の「里山生活塾」、定年林業者等を対象とした「森林未来経営塾」等の講座の開催や、全国的に取り組まれている「森の健康診断」や「山里の聞き書き」、年間50回を超える小・中・高等学校での出前講座等、併せて年間100回以上の普及啓発活動を毎年実施しています。
2.森林ボランティア活動は、県内各地にある各林研グループの主要メンバーや森林組合及び林業事業体に所属するメンバーが多数もりふれ倶楽部に在籍しており、県東部を中心に隠岐の島を含む県全域で、学校林や多様な目的のあるモデル林を中心に、毎年、植樹・下刈・除間伐の実施やまた、竹林整備・マツクイムシやナラ枯れ枯損木の伐倒等、年間を通じて森林整備活動に取り組み、会員の技術研鑽を続けながら13年以上無事故で現在に至っています。
3.里山生活者の支援活動とは、第1に「木の駅プロジェクト」と称される林地残材の収集システムの支援活動です。木の駅プロジェクトは現在、島根県で9つの市町で行われていますが、もりふれ倶楽部はそのほとんどでプロジェクト創立の支援を行い、その後の住民への普及啓発活動や運営の支援を行いました。
平成25年度全国林業グループコンクールで農林水産大臣賞を受賞した仁多郡林業研グループが主体となっている木の駅プロジェクトでは、5年以上事務局を務めていました。
また、このプロジェクトの進展に併せ、労働安全の観点から山林所有者を対象としたチェンソーの安全作業研修を県内各地で実施しました。その成果として、県内の「木の駅プロジェクト」の活動で、チェンソーによる重傷事故0という全国に誇れる状況が続いています。
なかでも、もりふれ倶楽部の活動で近年特に力を入れているのが、[森林保全の大切さを次世代へ伝える活動]であり、現在、小・中・高等学校を対象とし、森林保全に関する出前講座を実施しています。
島根県は全国4位の森林率を誇っていますが、子ども達は、すぐ身近にある森林にあまり関心を示さず、森林(もり)へ足を向ける機会も少ない状況です。実際に学校への出前講座で森林(もり)について聞いてみると、多くの子ども達が人工林と雑木林の区別さえつかないような状況であり、このままでは、島根の林業の未来がとても心配に思えました。
平成21年度の終わりごろ、「学校に森林保全の大切さを理解してもらいたい」との思いをもち、NPO法人もりふれ倶楽部は島根県緑化推進委員会と「しまね森づくりコミッション」を結成しました。
まず、資金を集めるために、「しまね森づくりコミッション」では、年会費1万円を支払い島根県緑化推進委員会の賛助会員となっている企業に、コミッションHPに企業名をその企業HPへのリンクをつけて掲載するなどして、200社ほどの企業より資金を得ました。これらを使って、緑の少年団に加盟している小・中学校への出前講座を開催することができるようになりました。
学校への出前講座は、ポイントとなる森林保全の講義とモノ作りや樹木学習等の体験を組み合わせた形で行っています。森林保全の講義では、空気・水・土という人の生存に関わる大切なものを健全な森林が与えてくれることを伝えつつ、①人工林での間伐の大切さ、②雑木林と人との関わり(例えば、エネルギー革命以前は、薪の採取や炭の生産のため、樹齢20~30年の雑木が伐採され、萌芽更新により更新されてきたこと等)、③里山の竹問題、④その他、マツの話や里山の循環と人との関係等の内容で、①~④の全部または一部を選択して実施しています。講義には、なるべく写真をたくさん使い、資料の文字は最小限にとどめ、対象の学年により話の内容や言葉使いを変えるなどして分かりやすくしました。
体験メニューは、①樹木学習、②ネイチャーゲーム、③間伐材の甘皮を材料とした和紙作り、④木材チップ等をつかった動物等の作品作り、⑤森林作業体験、⑥行政や地域の林業家等と連携した特別メニューの中から、最大1日以内、6コマまでで、学校側にメニューを単独、または組み合わせて、選択していただき実施しています。平成22年度以降の咋年度までの11年間で、毎年30校以上で実施しました。令和3年度は、過去最高の52校の実施を予定しています。その成果もあってか、島根県の緑の少年団の代表校は、2015年度から6年連続で国土緑化推進機構緑の少年団表彰において、全国最高位の賞を受賞しています。
森づくりコミッション以外でも、農林高校のインターシップの実施、私立の高等学校にて毎月レギュラーで森林環境の授業を担当、地域おこし協力隊を林業の担い手に育成するための研修の受託等、健全な森林を次世代へ繋げていくための活動を行っています。
団体連絡先 | |
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代表者名: | 理事長 野々村俊成 |
Tel : | 0852-66-3586 |
HP URL : | http://www.morifure.jp/ |
E-mail : | morifure@coffee.ocn.ne.jp |
担当者名: | 野田真幹 |